イラスト・きむたらさとし

悩みのるつぼ 相談者(50代・男性)

 50代の会社員です。不正義や理不尽な行動を伝える新聞報道を見るたび、怒りに燃えて困っています。

 ロシアの軍事侵攻、イスラエルのガザへの攻撃――。最近では、アメリカ大統領選の報道。うそとデタラメで世界を混乱に陥れた揚げ句、議会襲撃を起こしたトランプ氏が、大統領候補となり、さらに再選される可能性もあるということです。こうした報道に接するたび、激しい憎悪を覚えるとともに、その後にもたらされる世界の大混乱を思うと、絶望的な気分になり、夜も眠れません。

 憂えたところで何をするという手立てもなく、だったら新聞報道など見なければよいのですが、社会問題から目を背けるようで気が引けます。

 仕事も家庭も順調で平和に暮らしています。海の向こうのことなど気にせず、このまま自分の生活を平穏に送ることだけ考えればよいのでしょうが、汚い人間の醜い行為がどうにも許せない性格が災いして割り切れません。

 今後、ますますひどい状況になることが想定される中、どのように気持ちを保っていけばよいか、アドバイスいただけると助かります。

  • 【過去の相談】夫とゆっくり過ごせず悲しい妻 清田隆之さんが問う男性の無知
  • 【相談の投稿方法】朝日新聞コーポレートサイトへ

回答者 タレント・野沢直子さん

 このお悩みを読んで、まず最初に思ったことは、そんなに心配なさっているのなら実際に戦場に出向いて最前線で戦ってくればいいのにな、ということです。

 まあ仮に戦場に行くのは無理でも、実際あなたが心配している国に出向いて、あなたがニュースで観(み)ていることはどこまでが真実なのか確かめてくるというのはいかがでしょうか。

 例えば、アメリカ。

 トランプ元大統領は確かに噓(うそ)ばかりついているし、私も最初は好きではありませんでした。

 彼のメキシコとの国境に壁を建ててしまったりする政策はやりすぎだと思っていましたが、実際のところ、バイデン大統領になってからゆるくなった移民政策のお陰で移民が押し寄せ過ぎて迷惑している都市もたくさんあり、トランプ元大統領のやり方は突飛(とっぴ)だったけれど、方向性としては間違ってなかったのではないか、彼はそんなに酷(ひど)い大統領ではなかったのではないかと思い直している国民もいると思います。

 それは報道されていますか?…

共有
Exit mobile version