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JR三鷹駅近くの「ふらんすや」は、榎本里紗さん(40)が幼い頃から通うお気に入りの店だ。
鶏肉とマイタケをソテーし、トマトソースと生クリームで煮込んだチキンのトマトクリーム煮スパゲティは、甘みと酸味が混ざり、ストロガノフのような特別なうまみがある。イチゴ入りのカスタードクリームと生クリームをパイ生地で挟み込んだミルフィーユも絶品だ。
店主の今田(こんた)修さん(75)が、はにかんだ笑顔で迎えてくれる。値段も手頃で、デザートまで食べても、1人2千円もしない。宣伝もしないのに、いつも常連客でいっぱいだった。
ところが昨年10月、両親と弟で店を訪れると、淡々と「来月閉める」と告げられた。突然のことに驚いた。
「マスターの味を二度と食べられなくなるなんて。実家がなくなるみたい」
せめて自分で作りたい。再現して、子どもたちにも食べさせたい。好物のレシピを教えてほしいと、今田さんに頼み込んだ。
閉店の貼り紙に届いたたくさんのメッセージ
今田さんは青森出身。初めて…