三菱UFJ銀行本店=東京都千代田区

 三菱UFJ銀行が今年、半導体を専門に扱うチームを立ち上げた。同行が特定の産業を対象とした組織をつくるのは初めてで、銀行業界でも異例の動きだ。半導体産業への支援を強める国の動きに合わせたもので、融資に限らず、町づくりも含めた対応を検討するという。

 自動車や人工知能(AI)など幅広い製品に使われる半導体をめぐっては近年、国内投資が活発だ。三菱UFJも2022年、次世代半導体の国産化を目指す「ラピダス」に3億円を出資。メガバンクでは唯一の出資で、幹部は「半導体業界の強化は日本に不可欠。自動車のように日本の強みを生かす産業になりうる」と期待する。

 4月には「半導体バリューチェーン推進室」を立ち上げた。これまで単独の産業を対象とした組織はなかったが、別の幹部は「組織をつくることで部署を横断して動きやすくなる。半導体の成長を逃さず取り込んでいく」と狙いを語る。

 推進室には半導体の知見が深…

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