故・三笠宮妃百合子さまの本葬にあたる「斂葬(れんそう)の儀」が26日、東京都文京区の豊島岡墓地で営まれ、天皇、皇后両陛下の使いや皇族方、三権の長ら約500人が参列した。
喪主は孫にあたる三笠宮家の彬子さまが務め、午前に始まった「葬場の儀」には皇嗣の秋篠宮さまと紀子さま、両陛下の長女愛子さま、秋篠宮家の次女佳子さま、長男悠仁さまをはじめとする皇族方、石破茂首相や額賀福志郎衆院議長や親族ら約500人が参列した。両陛下は皇室のしきたりで参列せず、側近トップを勅使、皇后宮使として差し遣わし、上皇ご夫妻も使いを出した。
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百合子さまのひつぎを乗せた霊車は午前9時前に住まいの宮邸を出発。皇居前などを進み、午前10時前に豊島岡墓地に到着した。雅楽が厳かに奏でられる中、霊車は墓地内の葬場をゆっくりと進み、百合子さまが長く総裁を務めた母子愛育会や、名誉副総裁を務めた日本赤十字社のトップが付き添った。
儀式では、3男2女を育て、故三笠宮さまと共に国際親善や医療福祉の向上に尽くした百合子さまの歩みをしのぶ祭詞が奏上され、天皇陛下の勅使をはじめ、参列者が拝礼した。
その後、一般の人にも拝礼の機会が設けられ、豊島岡墓地前には長蛇の列が出来た。この一般拝礼は彬子さまや高円宮妃久子さまをはじめとする親族の前で行われ、彬子さまは時折ハンカチで涙をぬぐいつつ、百合子さまをしのぶ人らを見守った。
百合子さまのご遺体は東京都新宿区の斎場で火葬された後、午後の「墓所の儀」で故・三笠宮さまの墓に埋葬される。(中田絢子)