写真・図版
慶応大の大串敦教授(ロシア・ウクライナ政治)=2025年2月3日午前11時41分、東京都港区、稲葉有紗撮影

 ウクライナ侵攻3年を前に、米ロ間で停戦協議が始まっている。ロシア・ウクライナ政治が専門の大串敦・慶応大教授に今後の見通しを聞いた。

――ウクライナにとってのベスト、ワーストケースは?

 ゼレンスキー大統領にとってのベストは米国から支援を取り付け、戦線を安定させて停戦すること。ただ、可能性は限りなく低い。ゼレンスキー氏は、支援する気のないトランプ米大統領を批判し始めた。

 ワーストケースと言うか、実際に生じそうなのは、米ロがゼレンスキー氏の頭越しに停戦案を作り、ロシアは領土を得て、米国はウクライナの資源へのアクセスを得る。ゼレンスキー氏は選挙を余儀なくされるか、他の理由で退陣させられる。

 問題はその後のウクライナの安全の保証。これは、どうなるのかさっぱり分からない。朝鮮戦争のように停戦している事実だけが続く、というケースもあり得る。

避難民の帰還は

――停戦してロシアが領土を得…

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