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レッサーパンダの「和(かず)」=静岡市駿河区の日本平動物園、大海英史撮影
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 静岡市駿河区の市立日本平動物園が開園から55年を迎えた。国内の動物園に暮らすレッサーパンダの繁殖を管理し、「聖地」とも言われる。開園当初からいるアジアゾウは国内動物園で最も長生きのメスだ。市民も協力してできた動物園は約140種の動物たちが来園を待っている。

 日本平動物園では9月、「国際レッサーパンダデー」に合わせて特別ガイドや解説パネルの展示などが催されている。米国の保全活動団体が毎年9月第3土曜日に定め、今年は21日だった。

 同園に初めてレッサーパンダが来たのは1980年だ。日中友好の動物大使として中国・西安からオスの唐唐(タンタン)とメスの安安(アンアン)が贈られた。

 安安は翌年亡くなったが、唐唐と新しく来たメスとの間に83年、三つ子の赤ちゃんが生まれる。しかし、数日後に亡くなり、同園の繁殖への試行錯誤の歴史が始まった。

 新しいペアで繁殖を目指し、89年にようやくメスの「キョンキョン」が誕生した。粉ミルクを与えて人工哺育を試み、翌年亡くなったものの国内で初めて人工哺育で半年以上育ち、日本動物園水族館協会から繁殖賞を受賞した。

歴史が動いた20年前

 歴史が動いたのは2003年…

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