最高賞に輝いた松江高専チームのメンバー=2024年10月31日午後3時30分、島根県庁、垣花昌弘撮影

 災害救助をテーマに神戸市で8月に開かれた「レスキューロボットコンテスト(レスコン)2024」(同市など主催)で、松江工業高等専門学校(松江市)のチームが最高賞の「レスキュー工学大賞」と、得点1位に贈られる「ベストパフォーマンス賞」をダブル受賞した。

 阪神・淡路大震災を機に始まったコンテスト。今年の本選には14チームが参加した。地震で半倒壊した建物を想定した競技フィールドで、ロボットを遠隔操作し、負傷者に見立てた人形をいかにやさしく、素早く救助するかを競った。

 松江高専は2010年から毎年挑戦し、ロボットに改良を重ねてきた。今年は15人が製作に携わり、階段を上れるロボットや人形を台に乗せて2階から下ろせるロボットなど3台を開発した。

 人形を救出する際、与える衝撃を軽減するため、寝ている赤ちゃんを親が抱き上げるイメージで製作に取り組み、人形の首を抱えられるようにした。本選では「レスコンのコアコンセプトである『やさしさ』を追求しており、人命を救いたいという熱い想(おも)いがレスキューロボットの細かな動作に『やさしさ』として表れている」と高く評価された。

 本選に出場したメンバーのうち、いずれも3年生の平塚絢さん(18)、沼本咲恵さん(18)、花田公彦さん(18)は10月31日、島根県庁で丸山達也知事に受賞を報告し、ロボットの実演をしてみせた。

 沼本さんは「やさしく安全に救助することができる機構が一番出来の良いものになった」と喜んでいた。(垣花昌弘)

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