貨物機で新千歳空港に空輸された、ラピダスの工場に導入されるEUV露光装置=2024年12月14日、北海道千歳市、ラピダス提供

 最先端半導体の国産化をめざす「ラピダス」は18日、北海道千歳市に建設中の工場で、製造工程の要となる「EUV露光装置」の設置作業が始まった、と発表した。建屋は9割近くまで完成しており、来年4月の試作ラインの稼働に向けて大詰めを迎えている。

 EUV露光装置は、波長が極端に短い光を照射して、ナノメートル(1ミリの100万分の1)単位で半導体の回路を基板上に焼き付けることができる。ラピダスが手がける予定の2ナノ世代の半導体には欠かせず、全工程でも製品の性能に直結する、最も重要な製造装置だ。

 世界で唯一つくれるオランダのASML社が供給し、今月から順次部品が搬入されている。価格は1台200億円以上ともいわれ、国内の工場に設置されるのは初めて。この装置を皮切りに、搬送システムなどの設備も順次、搬入される。

 この日、新千歳空港で開かれた式典で、ラピダスの小池淳義社長は「まだ1合目だが、日本から全世界に最先端の半導体を届けられる確実な第一歩になった」と話した。

 ラピダスは2027年中の量…

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