ミャンマーの最大都市ヤンゴンにある、イオンオレンジの店舗=2024年7月1日、ヤンゴン、笠原真撮影

 国軍が全権を握るミャンマーで、コメ価格を高値に設定したとして拘束され、有罪判決を下された小売り大手イオンの現地法人「イオンオレンジ」の商品本部長、笠松洋さん(53)が14日朝、空路で羽田空港に到着した。イオンが同日、明らかにした。笠松さんは12日夜に解放され、翌日タイ経由で帰国の途についていた。

 笠松さんは消費者保護を目的とした「生活必需品・サービス法」に違反したとして6月末に拘束された後、起訴された。今月12日、ミャンマーの裁判所は笠松さんに禁錮1年の有罪判決を下した。国軍報道官は同日夜、笠松さんについて「彼は今夜解放された」との声明を発表。拘束期間は1カ月半に及んだ。

 2021年に国軍がクーデターで権力を握って以降、ミャンマーでは政情不安に起因して、コメを含めた食料品など、あらゆる物品の物価高が深刻化している。国軍は食用油やコメなどの必需品に統制価格を設定し、それに沿わない値段で販売する業界関係者を拘束するなどし、価格を下げさせる強権的な対策をとってきた。

 笠松さんが拘束された当時の…

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