イタリア北部ベネチアのサンマルコ広場近くを流れる運河では、観光客を乗せたゴンドラが次々と行き交っていた=2024年4月25日、宋光祐撮影
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 「水の都」として知られる世界的な観光地イタリア北部のベネチア市は25日、旧市街を訪れる観光客から入場料を徴収する制度を試験的に始めた。「オーバーツーリズム(観光公害)」による住民生活への影響が深刻で、観光客の抑制を決断した。ただ、効果を疑問視する声もあり、市が「世界初」とする試みは波紋を呼んでいる。

 入場料の対象は午前8時半から午後4時に旧市街を訪れる14歳以上の日帰り観光客。オンラインで名前などを登録して5ユーロ(約830円)を支払い、QRコードを取得する。1日の入場者数に制限はない。7月までの週末を中心に計29日間実施され、悪質な違反者には最大300ユーロ(約5万円)の罰金が科される。

 ベネチア市によると、24日時点で、約6千人が25日の訪問に向けて料金を支払った。観光客の玄関口となるサンタルチア駅前では25日、数十人の監視員が観光客にQRコードの取得を案内した。仏中部オルレアンから来たシルバン・ペルランさん(55)は同日朝に登録と支払いを済ませた。「子どもの頃からベネチアには旅行に来ており、観光公害の問題は感じていた。街の保全や対策のためなら5ユーロを支払うことは気にならない」と話した。

市側、観光客の人数制限は慎重

 市の統計によると、約5万人…

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