ノーベル化学賞を贈られることが決まった英グーグル・ディープマインド社の研究者らが開発したたんぱく質構造予測ソフト「アルファフォールド(AF)2」。2020年に登場した段階で、生命科学の研究者に与えた衝撃は大きかった。
たんぱく質の構造を研究する東京大の伏信進矢教授は「正直、落ち込むくらい正確です。もう苦労して構造を解く必要がなくなるのかと思った」と語る。
X線を使った数年がかりの解析でまだ解けなかった構造について、AF2を試してみると予測が簡単に得られ、しかもかなり正確だったからだ。
同社は21年、すべてのヒトたんぱくの構造予測、プログラムとデータベースを公開した。続いてゲノム配列が決定されている生物のほぼすべてのたんぱく質の構造を予測。ウイルスや病原体のたんぱく質も含まれた。
便利さはすぐに広まり、生命…