JR東海のN700S確認試験車「J0編成」=2025年1月10日、浜松市、辻健治撮影

 東海道・山陽新幹線の「お医者さん」として親しまれてきたJR東海の点検車両「ドクターイエロー」が、老朽化などによって1月末で任務を終えた。JR西日本所有の残り1編成も2027年をめどに引退する。開発中の最新技術や機器を採り入れた後継車両とは、どのようなものなのか。

 点検専用だった黄色い車体のドクターイエローに代わり、今後は客を乗せて走りながら線路や架線の状況をチェックする「営業車検測」に切り替わる。

 JR東海では22年から、主力のN700Sで営業運転中にトロリ線の高さや摩耗状態、レールに流れる自動列車制御装置(ATC)の信号の状況を検測している。さらに、2年後のドクターイエローの完全引退後を見据え、営業車検測の技術開発や試験が進んでいる。記者はその車両をJR東海の浜松工場で取材した。

営業運転には入らないN700S

 おなじみの白い車体に青色の帯で、外観はふだんのN700Sと変わらない。ただ、これはドクターイエローには無かった新たな検測機器を搭載した「確認試験車」と呼ばれる「J0(ゼロ)編成」だ。営業運転には入らず、技術試験のために走る唯一の編成で、同社の広報担当者は「1編成しかないので、ドクターイエローよりレアかもしれません」と話す。

 検修庫でJ0編成の4号車の…

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