2024年10月23日、トルコの首都アンカラ郊外のトルコ航空宇宙産業(TUSAS)の施設の入り口付近を走行する救急車=AFP時事

 トルコの首都アンカラ郊外の大手軍需企業「トルコ航空宇宙産業」(TUSAS)本社が23日、攻撃を受け、5人が死亡し、22人が負傷した。トルコ政府が発表した。クルド系武装組織のメンバーが関与した「テロ攻撃」と断定している。

 現地メディアの報道によると、23日午後、TUSAS本社で大規模な爆発があり、続いて銃撃戦が発生した。TUSASは、戦闘機やドローン(無人機)などを製造していることで知られている。

 イェルリカヤ内相は、攻撃に関わった男女2人を「無力化」したと表明。2人はクルディスタン労働者党(PKK)のメンバーだったとSNSに投稿した。PKKは、トルコや米国、欧州連合(EU)がテロ組織に指定するクルド系武装組織で、1980年代から政府系施設などへの攻撃を繰り返している。トルコは、TUSASが製造するドローンをクルド系武装組織との戦いに投入しているとされる。ユルマズ副大統領はSNSで、攻撃が「トルコの防衛産業の成果を狙った」ものだったと主張した。

 トルコ国防省は23日夜、イラク北部とシリア北部のクルド系武装組織を空爆し、32の標的を破壊したと発表。現地報道によると、翌24日にもトルコの情報機関が同地域のクルド系武装組織の拠点に攻撃を加えたという。AFP通信によると、シリア北部のクルド系武装組織は24日、トルコの攻撃で民間人12人が死亡、25人が負傷したと発表した。(イスタンブール=根本晃)

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