Secret Service’s Tech Flaws Helped Gunman Evade Detection at Trump Rally
7月13日に米ペンシルベニア州バトラーで選挙集会中にトランプ前大統領が銃撃された事件で、その1週間前から警備担当者らは不注意やミスを重ねていた。それでも、犯行を防ぐ最後のチャンスがあった。それは(発砲直前に)約30秒間、残されていた。
集会場所の近くにあるAGRインターナショナル(米企業)の倉庫の屋根を凝視した地元の警官が、ほかの警官たちと共に捜していた不審な男を発見した瞬間が、そのときだった。それまでの90分間、警備担当者らの間では、その男、トーマス・クルックス容疑者の意図や行方をめぐり、混乱が続いていた。
「ロングガン(長銃)だ!」。7月末に米議会で証言した大統領警備隊(シークレットサービス)の幹部らによると、その警官は地元警察の無線で、こう知らせたという。
この緊急連絡は、地元警察とシークレットサービスが共有する指令センターに直ちに伝えられ、トランプ氏を守るために身を盾にできる距離にいた警護官たちにも伝達されなければならなかった。まだ、暗殺の企てを阻止する時間は残されていたのだ。
しかし、地元の警察無線で伝えられた報告は、シークレットサービスに届かず、30秒後にクルックス容疑者は発砲し始めたという。
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なぜ銃撃は防げなかったのか。NYT記者の取材によると、その鍵はテクノロジーの活用にあるようです。
この通信トラブルは、シーク…