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ワシントンの連邦議会議事堂を訪問したゼレンスキー大統領=2023年9月、ニューヨーク・タイムズ

Trump or Harris? For Ukraine, Two Very Different Futures Loom.

 ウクライナ軍はウクライナ東部において、ここ数年で最も速いペースで後退している。欧州で数世代ぶりに勃発した最も残忍な戦争は、数千人の北朝鮮兵士がロシアに流入したことで予測不可能な新たな局面を迎えている。

 また、10月だけで首都キーウを20日にわたり毎晩ドローンで攻撃するなど、ロシアによる爆撃は日々、民間人の犠牲者数を増やしている。

 このような困難な状況の中、ウクライナは11月5日の米大統領選に備えている。誰が大統領になるかによって、国の行く末が大きく左右されるのはほぼ間違いないからだ。

 共和党候補のトランプ前大統領と民主党候補のハリス副大統領は、ウクライナ戦争における米国の役割、そしてロシアの侵略に対する盾として長年機能してきた軍事同盟、北大西洋条約機構(NATO)における米国の役割について、極めて対照的なビジョンを表明している。

 ウクライナ政府関係者は、最も重要な軍事的後ろ盾(訳注:米国を指す)からの支援を危うくしかねない有害な党派抗争に巻き込まれまいと必死で、(トランプ氏とハリス氏の)両陣営それぞれに魅力的に映るかもしれない異なる主張の方法を模索している。

  • 【注目記事を翻訳】連載「NYTから読み解く世界」

ロシアとの戦争終結が見えないウクライナ。その行く末は、トランプ前米大統領が返り咲いたことで、ますます見通せなくなっています。NYTは11月5日の米大統領選直前、大統領選の勝者がトランプ氏かハリス氏かによって、ウクライナ情勢にどのような影響があるかについて分析していました。

 トランプ氏は、大統領就任前…

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