温泉旅館が立ち並び、旅行者目当ての飲食店やお土産屋が軒を連ねる――。そんな昔ながらの温泉郷もあれば、そうではなくても個性的でユニークな温泉♨もある。温泉地の数は83カ所(2023年3月末時点、環境省調べ)と全国10位だが、温泉郷のイメージは薄い千葉。温泉ソムリエでもある記者が探ると、全国でも珍しい成分の湯の宝庫だった。その理由は地下深くにあった。

 「ポン」「ポン」「ポン」――。九十九里浜の南に位置する白子町へ車を走らせると、小気味良いテニスのラリーの音が響いてきた。

 テニス合宿の聖地として知られる白子町。テニスコートに囲まれた海沿いの一角に、20軒近いホテル・旅館が集まる白子温泉がある。

 「冬でも湯冷めしにくく、泉質には自信があります」と、「ホテル東海荘」の3代目、片岡一弥さん(46)は胸を張る。もっとも、合宿で訪れる大学生たちの目当ては町に約300面あるテニスコート。「温泉があると知らずに来る人も少なくありませんが……」と苦笑いする。

写真・図版
琥珀色に澄んだ白子温泉の湯。濃厚な温泉成分で「体が芯から温まります」と話すホテル東海荘3代目の片岡一弥さん=2024年12月6日午後0時7分、白子町のホテル東海荘、前田基行撮影

 早速、日帰り入浴ができる数軒のホテルを巡ると、琥珀(こはく)色に澄んだ温泉があった。湯はなめらかな肌触り。口に含むと、かなりしょっぱい。

若い温泉地 地下2000メートルから湧く「宝」

 それもそのはずだ。温泉分析…

共有