コラム「トランプ法廷」⑤
- 【前回④を読む】トランプ氏が座る法廷と同時進行 首都の「トランプ法廷」を「聴く」
トランプ前大統領の「口止め料」をめぐる刑事裁判は22日からの週、冒頭陳述に続いて証人尋問が進められた。1人目の証人として呼ばれたのは、事件のカギを握る人物の一人だ。
デビッド・ペッカー氏。長めの白髪をオールバックにして証言台に座った72歳の男は、トランプ氏のことを「友人」と呼んだ。
創刊100年近い歴史をもつタブロイド紙「ナショナル・エンクワイアラー」を発行する「アメリカン・メディア・インク」の元会長。ときに冗談を交えつつ、淡々と質問に答えていく。生き馬の目を抜くゴシップ報道の世界を歩んできた人物だからなのか、そのたたずまいには、ただ者ではないと感じさせる何かがあった。4日間にわたったペッカー氏の証言からは、カネと情報を巧みに操ってきた2人の関係が浮かび上がった。
「視聴率男」トランプ氏との出会い
「トランプ氏とは長い間、素…