タイのペートンタン・シナワット首相の携帯電話に、他国の「首脳」を名乗るアカウントからボイスメッセージが届き、「約束していた寄付を」と求められる――。そんな詐欺未遂騒ぎがあったと、ペートンタン氏自身が15日に明かした。地元メディアが同日報じた。音声は、AI(人工知能)を用いてつくられたものだとみられる。
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ペートンタン氏によると、他国の首脳の名をかたる人物から「共に働きたい」との内容の音声ファイルを受信。同氏は「わかりました」と応じた。だが、続くメッセージで、タイが「ASEAN（東南アジア諸国連合）でまだ寄付をしていない唯一の国」だとし、「寄付用に」と送られてきたのがタイ国外の銀行の口座番号だったことなどから、詐欺だと気づいて関係閣僚に報告したという。
ペートンタン氏は報道陣に、「洗練された詐欺」に危うくだまされるところだったと話し、「詐欺行為はどんどん高度化し、狡猾（こうかつ）になっていると、我々は認めなければならない」と述べた。「他国」や「首脳」の具体名は明かされていない。
タイやその周辺国では、特殊…
