二回表ソフトバンク2死満塁、先制の2点適時打を放ち、一塁上でベンチに向かってポーズする有原=小宮健撮影

 (26日、プロ野球日本シリーズ第1戦 福岡ソフトバンクホークス5―3横浜DeNAベイスターズ)

 二回2死満塁。ソフトバンクの有原航平は慌てて打席に向かった。

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 「普段は立つことはない打席なので、何とかしようという気持ちだけだった」。前打者の甲斐が申告敬遠で歩かされ、回ってきた先制のチャンス。カウント1―1からの3球目。真ん中にきた153㌔の直球を右前にはじき返した。

 日米合わせてプロ10年目のエース右腕は日本ハム時代を含めて指名打者(DH)制のあるパ・リーグ育ち。レギュラーシーズンでは通算2安打、0打点だ。

 「バットに当てようと思った。最高の結果でめちゃくちゃうれしい」。大一番での2点適時打で〝プロ初打点〟を挙げ、笑みがはじけた。

 右足首を痛めている近藤健介は守備を回避するため、スタメンを外れた。不動の5番として打線を引っ張ってきたパ・リーグ首位打者は代打待機に。試合前、村上隆行打撃コーチは「とにかく一番得点ができそうな打線を組んだ」。苦心の末のオーダーだった。

 有原は投げても7回4安打無失点。右のエースが投打で存在感を示した。

小久保裕紀監督は「2死満塁で適時打でしょ。100%打たないと思ったからびっくりした。(投球を含めて)今日は有原に尽きる」。こちらも笑みがこぼれる。

 ソフトバンクは日本シリーズの連勝記録を「13」に伸ばした。「あと三つ勝ちたい」と小久保監督。4年ぶりの日本一へ白星スタートを切った。(鷹見正之)

ソフトバンク・小久保監督の話

 小久保監督(ソ) 日本シリーズの連勝記録を13に伸ばす。「三つ負けられるのが日本シリーズ。あまりそこ(連勝)は気にせず、一戦一戦やっていきます」

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