ソニーグループが、出版大手KADOKAWAの買収を検討していることが19日、わかった。ソニーは家電などの製造業からエンターテインメント事業に軸足を移し、積極的な企業合併・買収(M&A)などによってIP(知的財産)の強化を進めている。
関係者によると、両社による協議は、まだ初期の段階だとみられる。KADOKAWAは出版事業以外にも映画やアニメなど、エンタメ事業を総合的に手がけ、ヒット作も多数保有している。
ソニーは2021年にKADOKAWAに第三者割当で出資し、現在2.1%の株式を保有する。KADOKAWAが持つIPとソニーのグローバル展開力の組み合わせをめざし、関係の強化を進めていた。さらに、KADOKAWAのゲーム子会社で、全世界でヒットした「エルデンリング」の開発元の「フロム・ソフトウェア」にも22年に出資した。
ソニーは、25年3月期からの3年間で、M&Aなどに使うとして1兆8000億円の成長投資枠を設定していた。ソニーは傘下にアニメ会社「アニプレックス」や米アニメ配信サービス「クランチロール」の運営会社を抱えている。(田中奏子)