避難民キャンプとなっている小学校の軒下で、暑さをしのぐ女性たち=2024年9月1日、ポートスーダン、中野智明氏撮影

 スーダン中部ジャジーラ州で25日、国軍と対立する準軍事組織「即応支援部隊」(RSF)が村を襲い、少なくとも124人が死亡した。ロイター通信が26日、地元の民主化運動組織の発表をもとに伝えた。昨年4月に紛争が始まって以降、攻撃が相次ぐ同州で最大規模の被害とみられる。

 民間の監視団体「スーダン戦争モニター」によると、国軍は9月末以降、攻勢を強めている。首都ハルツームやジャジーラ州で、RSF側が支配していた地域を奪還。10月20日には、ジャジーラ州のRSFのトップが国軍側に投降し、その後RSFによる民間人への襲撃が激しさを増した。

 ロイターによると、地元住民は、RSFが民間人を殺害し、家屋を略奪した結果、数十万人が避難を強いられている、と明かした。トム・ペリエロ米スーダン特使は25日、SNSで「殺害と性的暴力は決して許されない」と訴えた。

 国連などによると、1年半以上にわたる紛争で、2万~15万人以上が犠牲になった。国内避難民と国外に逃れた難民は計1300万人を超える。国民の半数を超える2560万人が飢餓の危機にある。一方、ウクライナや中東での戦争に注目が集まるなか、国際社会の関心は薄く、「忘れられた紛争」とも呼ばれている。(今泉奏)

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