米グーグルに対し、公正取引委員会が独占禁止法違反で排除措置命令を出す方針を固めた。自社の検索アプリをスマートフォンのメーカーに初期搭載するよう強いていた。スマホを起点に経済活動が広がるなか、巨大な影響力を振るうプラットフォーム企業に、各国は警戒を強めている。
- 「見くびられるわけにはいかない」公取委vsグーグル、水面下の攻防
日本で年間に売れるスマートフォンの数は約3千万台。今や国民の多くが、情報検索やニュース視聴、買い物、ゲームなどを手のひらで出来る時代になった。
便利なスマホを動かす仕組みである基本ソフト(OS)は、グーグルの「アンドロイド」とアップルの「iOS」が勢力を二分する。iPhoneにしか搭載されないiOSと違い、アンドロイドは幅広い端末メーカーに搭載できる仕様だ。グーグルは今回、この立場を生かし、自社の検索アプリを「セット搭載」するよう端末メーカーに求めていた。
スマホのアプリを通じて、さまざまな事業者がサービスを提供している。グーグルとアップルはOSを基軸に、アプリ入手に必要なアプリストアや決済サービスを一体的に手がけ、そのルールを握ることでデジタル市場の根っこを押さえた。
競争環境をゆがめうるほど絶大な力の規制へ、政府は動いている。今年6月、「スマホソフトウェア競争促進法」が成立。OS2社が他社のアプリストア開設を妨げたり、アプリビジネスで必要になる決済方法を制限したりすることを禁じる。違反があれば関連する売上高の20%という重い課徴金も科す。
所管する公取委は公開資料のなかで、「競争を通じてイノベーションを活性化し、消費者が多様なサービスを選択できる環境を整備する」などと説明する。
効果は表れている。スマホの…