<U18W杯:日本2-5台湾>◇9日◇スーパーラウンド◇台湾・台北市立天母野球場
【台北(台湾)9日=柏原誠、保坂恭子】初優勝を目指す日本が、台湾との前哨戦に完敗した。
完全アウェーの中、初回からミスを連発し相手ペースにさせた。馬淵史郎監督(67)は独特の雰囲気を体感し、台湾と1試合こなせたことを前向きにとらえ「こっちにも意地がある」と闘志を燃やした。10日の決勝はエース前田悠伍投手(3年=大阪桐蔭)が先発する。
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独特の鳴り物に応援歌。大応援には慣れている侍ジャパンも困惑した。ベンチの「走られるぞ!」の声もグラウンドに届かず、先発高橋はいきなり3盗塁を許した。知花もまさかの落球。初回から3失点した。
スコア以上の完敗だ。それでも馬淵監督は淡々としていた。「余裕がなかったんでしょうね。完全アウェーでやるのはなかなか経験ない。でも甲子園でやったことのある選手ばっかりなんでね。克服してほしいですね」。前哨戦を戦えたのは、間違いなくプラス材料だった。
台湾は強い。大会最多4本塁打のパワーが売りと言われていたが、実際に戦った選手たちは力に加えて、隙を突く走塁や、しぶとさがあったと言った。
日本は過去準優勝が4度。馬淵監督は「相手は喜んでるでしょうが、こっちも意地ありますから」と改めて世界一への強い決意を明かした。決勝の先発には中2日でエース前田を送る。試合後、初めて夜空の下でミーティングを行った。監督からは短く一言。「笑って終わろう」。侍の意地を見せる1日になる。
▽日本・前田 (決勝の先発へ)「こちらはリベンジするだけ。チャレンジャーの分、気持ちはつくりやすい。台湾の応援も気にはなりません、甲子園の方が全然すごいんで。緊張もしていないです」
▽日本・高中(今大会初スタメンで1安打1打点)「1ストライクにしてもヒット1本にしても、すごく盛り上がる。守っている時も攻めている時も相手からの圧力を感じました」
▽日本・武田 (決勝は)「とにかく勝つことだけ考えてやる。最後の1試合、世界一をとるのが目標なので投手でも打者でも勝ちにつながるようにやっていきたい」
▽日本・緒方 「泣いても笑っても(高校野球)最後の試合。(神奈川)予選で悔しい思いで終わってるので、最後は笑って終われるように。全員で喜びを分かち合いたい」