@エディンバラ(英スコットランド)
英スコットランドの中心都市エディンバラに「ハチ公」がいる。中心部に銅像が立ち、観光客は写真を撮り、地元民は「御利益がある」と、鼻を触っていく。
名はボビー。犬種はスカイテリア。飼い主だった警察官ジョン・グレイさんが1858年に亡くなった後、喪に服すかのように16歳で死ぬまでの14年間、主人の墓を守り続けた。ペットにかかる税金は市長が代わりに納め、長らく市民から愛された――。そんな話が小説や映画にもなった。
特派員メモ
世界各地で日々ニュースを追っている朝日新聞記者が取材や暮らしの中で感じたことをつづった「特派員メモ」。トランプ前米大統領の返り咲きなど、大きな国際ニュースが相次いだ2024年を振り返ったコラムを年末にまとめて配信します。長年紙面でご愛読いただいているコラムをお読みください。
銅像は墓地にも建てられ、花に囲まれている。そばには維持管理のために1ポンド(約190円)寄付できる端末も。市内の博物館には当時のエサ入れや首輪まで展示されているのだから、人気ぶりはすさまじい。
さて、逸話は真実か。
ある歴史学者は、写真や絵画…