大分コンビナートの構成企業、レゾナックを中核とする石油化学コンビナート=2024年8月6日、大分市、江口悟撮影

 二酸化炭素(CO2)をはじめとした温室効果ガスを多く排出する石油化学コンビナート。生産活動で培われた企業間の連携を、脱炭素にいかす取り組みが各地で進んでいる。立地企業が手探りで挑むのは、政府が宣言した2050年のカーボンニュートラルとビジネスの両立という難題だ。(江口悟)

九州唯一、大分の石油化学コンビナート

 大分県の都道府県トップが続く。人口1人当たりのCO2排出量のことだ。環境省の推計値から県が算出した21年度の23.3トンは全国平均7.5トンの3倍を超える。

 理由はシンプル。製造業が盛んで、大規模な製鉄や石油化学の事業所が集積しているからだ。

 その拠点、大分市の臨海部に広がる大分コンビナートは九州唯一の石油化学コンビナート。中核企業のレゾナック(旧昭和電工)がエチレンプラントを持ち、石油由来のナフサからエチレンやプロピレンを作って他社にも供給する。一帯では日本製鉄の製鉄所やENEOS(エネオス)の製油所も操業している。

 発電などの燃料も原料も化石資源に頼る従来製法ではCO2排出は避けられない。一方で生産面で他社と連携する中、個々の企業が単独でできることには限りがある。

 そこで大分県が呼びかけ、立…

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