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コンゴ民主共和国東部ゴマで2025年1月30日、活動する反政府武装組織「3月23日運動(M23)」の戦闘員ら=ロイター
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 コンゴ民主共和国東部でコンゴ軍との戦闘を続ける反政府武装組織「3月23日運動(M23)」は3日、翌4日から停戦すると一方的に宣言した。声明で「人道的危機に対応するため」と説明した。すでにM23が制圧している主要都市ゴマへの対応には触れず、コンゴ軍側が応じるかは不透明だ。

 ルワンダ軍による支援が指摘されるM23は1月26日に東部の主要都市ゴマに入り、制圧した。その後、南方の都市ブカブに進軍しているとみられていた。M23は2月3日の声明で、コンゴ軍による空爆を非難。「ブカブやほかの地域を占領する意思は一切ない」と述べた。

 M23の攻撃をめぐっては、国連や欧米各国がルワンダ政府に支援をやめるよう要求。東アフリカや南部アフリカの地域機構は、当事者に向けて対話による解決を呼びかけていた。一方、AFP通信によると、M23は1月30日、コンゴの首都キンシャサまで「進軍を続ける」と主張していた。

ゴマの死者は900人に

 急転直下の「停戦宣言」で、実際に戦闘が終わるのかは見えてこない。M23にゴマを奪われた状態で、コンゴ政府側が停戦を受け入れるのは困難とみられる。コンゴ政府は、停戦交渉の相手はルワンダ政府だとしており、M23との対話を拒否している。

 ルワンダのカガメ大統領は2月3日、米CNNのインタビューで「私たちの国を吹き荒れる嵐から生き延びるために、全ての手を尽くさなければならない」と語り、敵対する勢力と戦う必要性を強調。一方、ルワンダ軍によるM23への支援は認めず、軍がコンゴ東部で活動しているか否かも「わからない」と答えた。

 AP通信によると、世界保健機関(WHO)は3日、これまで700人以上としていたゴマにおける死者数を更新し、900人以上とした。

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