![](https://i3.wp.com/imgopt.asahi.com/ogp/AS20250206002661_comm.jpg?w=1200&resize=1200,0&ssl=1)
目つきの鋭いスキンヘッドの中年男性が、飲食店を訪ねてグルメリポートする動画がSNSでバズっている。男性は広島県呉市のホテル料理長、鷹林(たかばやし)勲(いさむ)さん(52)。約1年前に始めた「コワモテ料理長シリーズ」は、再生回数100万回超えを連発。飲食店からの出演オファーが殺到しているという鷹林さんが、街に繰り出すのには理由があった。
黒いジャンパーを着た細身の鷹林さんが、店の青いのれんをくぐる。「ここの焼きそばが大好きなんです」。創業41年の女性店主に、ソースの調合について尋ねながら料理を待つ。熱々の焼きそばが届くと、すすりながら何度もうなずく。西田敏行さんの「もしもピアノが弾けたなら」が動画のBGMで流れる。
これは、インスタグラムで211万回再生された「コワモテ料理長シリーズ」の動画。視聴者からは「貫禄ありすぎ」「(映画のシーンにある)高倉健がカツ丼をかきこむのをほうふつさせる」などのコメントが並ぶ。ほかにも、天ぷら店の動画は108万回、食堂でオムレツや刺し身などを食べる動画は276万回再生されている。
「昭和の男のイメージ。それが受けているんだと思います」。鷹林さんが勤めるクレイトンベイホテル(呉市)の同僚で、撮影や編集を担当する青野孝史さん(48)は、そう分析する。
口下手の料理人を突き動かすものは…
広島市出身の鷹林さんは、調理の専門学校を卒業後、日本料理の道に進んだ。17年前から同ホテルで料理長を務めている。口数は少なく、人前に出ることもほとんどない。「カメラの前なんて、上手に話せるわけがない」。だから、食レポのコメントは「うまい」「おいしい」ばかり。「本当にうまい時、人はうなる。それがリアルだと思って割り切っている」と鷹林さんは言う。
動画の発信を始めたのは約1…