オーストリアの総選挙(国民議会、定数183)が29日に行われる。世論調査によると、反移民などを掲げる右翼政党「自由党」が支持を伸ばし、初めて第1党になる可能性がある。かつて、ロシアのプーチン大統領率いる与党と協力協定を結ぶなどロシア寄りの姿勢をとる同党は、欧州連合(EU)の対ロシア制裁にも反対している。選挙結果次第では欧州で強まる右傾化の流れに拍車をかけ、EUの政策にも影響を及ぼす恐れもある。
現地の世論調査会社の9月下旬の調査結果によると、自由党の支持率は26%で、ネハンマー首相が率いる中道右派「国民党」の25%と第1党争いを演じている。いずれの党も過半数をとるのは難しい情勢で、選挙後の連立交渉が焦点になる。
選挙戦の争点は、移民政策や低迷する経済の立て直し、ロシアによるウクライナ侵攻への対応などだ。
オーストリアは中東などから…