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プロ野球のオリックスは21日、山岡泰輔投手(29)が海外のオンラインカジノを利用していたため、コンプライアンス違反の疑いがあるとして、活動自粛を命じたと発表した。
球団などによると、2月17日に山岡選手のオンラインカジノ利用に関する情報を入手した日本野球機構(NPB)から調査依頼を受け、18日に山岡選手と面談。海外のオンラインカジノのポーカーゲームの大会に参加していた事実を把握した。山岡選手はオンラインカジノが違法だと思っていなかったという。
球団は山岡選手に対し、違法性の認識の有無にかかわらず、社会的影響力の大きいプロ野球選手としての自覚を欠いた行動であったという見解を伝えた。山岡選手は21日、大阪市内で警察に今回の事案について相談したという。
球団は山岡選手に対して、当面の間、活動の自粛を命じており、正式な処分は決まり次第、報告すると発表した。
山岡選手は広島県出身。広島・瀬戸内高から東京ガスを経て、2016年秋のドラフト1位でオリックスに入団。19年に開催された国際大会「プレミア12」では日本代表のメンバーとしてプレー。21年からのパ・リーグ3連覇にも貢献した。通算43勝45敗3セーブ。
日本プロフェッショナル野球組織は21日、「プロ野球全12球団に対して、所属選手及び監督・コーチ、スタッフなど関係者にオンラインカジノの利用は違法行為にあたることを各球団内で改めて周知徹底するよう求めたほか、当該関係者に向け、過去にオンラインカジノを利用したことがあれば自主的に名乗り出るよう呼びかけることを要請しました」とコメントを発表した。全球団は現在、球団関係者に自主的に名乗り出るよう呼びかけているという。
球団幹部が謝罪
プロ野球オリックスの山岡泰輔投手(29)にコンプライアンス違反の疑いが判明したことを受け、球団の後藤俊一・広報宣伝部長兼宣伝グループ長が21日夜、春季キャンプ地の宮崎市内で取材に応じた。
後藤氏は冒頭に発表文を読み上げた後、「関係各所のみなさまおよびファンのみなさまに多大なご迷惑、ご心配をおかけしましたことを心からおわび申し上げます」と頭を下げた。
後藤氏によると、山岡投手は「オンラインカジノは1人で利用した」と説明。同僚らは関与していなかったという。利用した時期や頻度、金銭の授受については「警察に相談中の事案のため現時点では差し控える」とした。
この問題を受け、球団は20日に全選手、スタッフに対面で聞き取り調査をし、該当者はいなかったという。コンプライアンスの啓蒙(けいもう)については契約更改時などに書面で注意喚起などを行っていたというが、後藤氏は「さらに意識を高めていくために啓蒙活動をしていかないといけない」と話した。
日本プロフェッショナル野球組織は「全12球団に対し、所属選手及び監督・コーチ、スタッフなど関係者にオンラインカジノの利用は違法行為にあたることを各球団内で改めて周知徹底するよう求め、当該関係者に向け、過去にオンラインカジノを利用したことがあれば自主的に名乗り出るよう呼びかけることを要請した」と発表した。