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前線で激しい消耗戦が続くなか、ウクライナでの停戦に向けた動きが驚くべき速さで進む。3年に及ぶ戦争の終結の兆しが出てきた形だが、市民に高揚感はない。侵略を受けたウクライナ不在で進む米国とロシアの交渉は、国際秩序を破壊しかねない懸念がつきまとう。
【特集】ウクライナ侵攻3年 平行世界(パラレルワールド)
戦争で引き裂かれ、交わる機会を失った二つの国で、同じ問いにそれぞれの立場から答えてもらった。
トランプ米大統領とロシアのプーチン大統領が停戦協議を始めることで合意した2月12日、前夜からウクライナの街に少なくとも7発のミサイルと123機のドローンが飛来した。3年間、市民を襲い続ける「日常」だ。
このミサイル攻撃によってオフィスビルなどが破壊されたキーウ郊外の現場を訪れた。付近では、9歳の子どもを含む5人が死傷した。市民を巻き込んだ惨劇は、これまで数え切れないほど繰り返されてきた。
「蛮行としか言いようがない…