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フジテレビ問題を受け、民放労連などがメディアの女性役員を3割に引き上げるよう求めるオンライン署名を始めた。全体像が明らかにされない中、「企業統治のミスであって、女性の数は関係ない」「的外れでは」といった声も聞く。だが私は1月末の記者会見を見て、男性中心の組織がつくる同質性の高さが問題の根底にあると感じている。
「『不適切にもほどがある!』で描かれていましたけど」。社長以下男性5人がひな壇に並ぶ会見が7時間を超えた頃、港浩一社長(当時)の口から番組名が出た時は驚いた。ライバル局の大ヒット作品だから、ではない。人権意識に関する質疑だったからだ。港氏は「当時の人権意識やハラスメント意識は今と照らし合わせるとゆるかった。時代の空気の違いだ」と続けた。「今の時代は人権意識というのがすごく高いポジションとして皆さんの心にある中で、昔のやり方や雰囲気を引きずってしまってきた部分がある」とも語っていた。
ドラマでは1986年から2024年にタイムスリップした主人公を通じ、セクハラやパワハラを問われる現代の「窮屈さ」やコンプライアンス重視の風潮への違和感が表現される。80~90年代はフジが「視聴率三冠王」など隆盛を極めた時期。港氏は「軽やかな、ウキウキした時代の空気があった」と懐かしんだ。
時代の空気のせい?
ウキウキ、した時代だっただろうか。私は違和感を抱いた。
テレビをつければ女性アナウ…