
大規模な山林火災が続く岩手県大船渡市は8日、新たに一部地域の避難指示を解除した。対象は三陸町越喜来の甫嶺東、甫嶺西、上甫嶺地区の333人。ただ同日夕時点も鎮圧には至らず、残る約3300人に避難指示が出されている。
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田端賢吾さん(73)は8日午後1時過ぎに自宅へ戻り、軽トラックの荷台から避難する時に持って出た母親の介護用品や飲料水の入った段ボールを積み降ろしていた。
「とにかく今は、ゆっくり眠りたい」と疲労のにじむ表情をみせた。この間、親戚の民宿に身を寄せていたが、ぐっすり眠ることができなかった。避難する前日の2月28日夜には、自宅から近くの山の稜線に沿って赤い炎が見えていたという。
自宅に延焼はなく、電気も通ったままだが、心中は複雑だ。「綾里のほうは家が焼けてしまった人がいるから。震災で高台に立て直したのに」