「ふたり 矢部太郎展」会場入り口の回転式パネル。左は矢部太郎さん、右は展覧会の空間・ビジュアルデザインを担当した樋笠彰子さん=23日、東京・立川のPLAY!MUSEUM

 質問「矢部太郎さんのマンガをひと言で言うと?」

 私の答え「やさしいお別れの物語、でしょうか。『大家さんと僕』以後の作品もどこか、別れの予感がある。出会いを描いても『会うは別れの始め』みたいな。でも人はみな生まれて老いていつか死ぬ、そのことへのあたたかなまなざしがあって、大家さんとのお別れを描ききった時のように、人はいとおしいもの、人生は素晴らしいもの、と思わせてくれる。矢部さんが好きと言う手塚治虫の『火の鳥』にも通じる人間賛歌ですね」

 マンガ家で芸人で俳優としても活躍する矢部太郎さんの大規模個展「ふたり 矢部太郎展」が24日から東京・立川のPLAY!MUSEUMで開催中です(7/7まで)。その公式サイトに私のインタビューを載せたいというので、珍しく取材を受ける側になり、矢部作品についてあれやこれやと語りました。

 なぜお鉢が回ってきたかとい…

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