昨年8月に結成30周年を迎えたナイロン100℃。記念公演第2弾として、主宰のケラリーノ・サンドロヴィッチ(KERA)作・演出「江戸時代の思い出」が22日から東京・下北沢の本多劇場で始まる。
劇団初の時代劇に立ち向かう三宅弘城、みのすけ、大倉孝二に話を聞くと、KERAを中心に挑戦をやめない劇団の30年の歩みが見えてきた。
――現時点(5月末の取材時点)で台本は未完成ですが、物語の舞台はタイトル通り江戸時代でした。「思い出」をきっかけに、なぜか場面は現代へ移り、いつしか時系列が重なり合います。台本を見てどう感じましたか。
三宅 想像していた通り、江戸時代だけではなかったなって。江戸時代の「思い出」だから、江戸時代の人は出ないんじゃないかとか、みんな色々予想していたんです。やっぱり現代も出てきて、それが重なって。一筋縄ではいかないですね。
みのすけ 混沌(こんとん)としてきて混ざっていますね。普段だと、衣装の早着替えで、行って戻ってというのが結構あるんですけど、ちゃんとやると時間がかかるので……。時代劇から現代に行って、また時代劇に戻るとかって大変そうですよね。
――ナンセンスなギャグの応酬が続く様子はナイロン100℃らしさを感じます。
大倉 どうなんですかね、面白いのかな。大丈夫かなって感じですよ。
三宅 いつも思うことなんですけどね。読んだ時は「うわ面白い」って思っても、いざやってみたら、あの時の面白さがなかなか出ないなってありがちなので。セリフに「ござる」や「拙者」が多くて、最初見たとき「ござるって言っちゃってるよ」って思いましたが、もう慣れました。
後半では、今作の見どころや「ナンセンス」への思い、30年続いたひけつやKERAさんの「挑戦」についても、3人がじっくりと語ります。
――昨年の記念公演第1弾「Don’t freak out」はホラーの要素が強く、笑いの少ない作品でした。
みのすけ ちょっとだけ笑わせようとするのも排除して、ここまでするのかっていうぐらい怖さにこだわっていてね。だからその対極で、今回はナンセンスな笑いを突き詰めそうです。ただ、それが難しい。本として面白くても、試行錯誤しないとその面白さにたどり着かないんです。
大倉 わざわざ、やりにくい…