現在の熊本県菊池市で1951~52年に起きた殺人事件などを総称した「菊池事件」の再審を求める団体が、啓発用の冊子を作った。事件で死刑判決を出した「特別法廷」の様子を、兵庫県姫路市の漫画家・古林海月(かいげつ)さんが漫画で描いている。

 裁判官や検察官、弁護人ら全員が白衣やマスクを着用して、証拠品を箸のようなものでつまむ。被告の「男性」だけが遠く離れた場所に座り、まともな弁護もなく一方的に審理が進む――。

 冊子に掲載された漫画「隔離法廷」(全10ページ)には、男性が受けた特別法廷の異様さが描写されている。

 菊池事件国民的再審請求人団の事務局(熊本市)などによると、菊池事件は51年に起きた第1事件と、52年に起きた第2事件の一連の出来事を指す。

のちに「違憲」判断

 第1事件は熊本県北部の村(現・菊池市)で役場職員だった人物の家にダイナマイトが投げ込まれた殺人未遂事件。第2事件は、その人物が刺殺された殺人事件などを指す。

 いずれも容疑者とされたのが、同じ村に住む男性だった。

 男性は、この人物が熊本県へ…

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