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フィールドワークで小学生に渋谷の街を案内する亀田さん(左)=東急株式会社提供
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楽問(がくもん)のススメ

学校、趣味、学び直し……。「学ぶ」「教える」の現場にいる方に取り組みや魅力を聞きます。今回は、東急で探究学習を担当する亀田一誠さんです。

 子どもたちと「まちづくり」を学ぶ探究学習のプロジェクトを手がけています。東急が昨秋から始めたとりくみで、東京都渋谷区内の学校やN高グループの生徒たちなどに、授業をしてきました。

 子どもたちは私たち講師と沿線の渋谷や武蔵小杉などを歩き、少人数の班でグループワークをします。事前に「まちの特徴は?」「まちに欲しいものは?」と尋ね、議論が活発になるよう考え方が違う子どもたちを同じ班にします。そして、まちづくりについての提言を発表してもらいます。

 私は、子どもたちの考えを絶対に否定しません。「(捨てられてしまう)ミカンの皮を入れた温泉のスパをつくりたい」「ビルの周りを水槽にした水族館があったら楽しそう」など、さまざまな意見が出ます。提案している子どもたちのほうが「実現できないだろうな」と思っているように見えることもありますが、「ありえなくはない。自由な発想を大事にしてほしい」と返します。

 私がこのプロジェクトを提案したねらいは二つあります。

 一つは、自分のまちに関心を…

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