2016年4月5日、米ホワイトハウスで並ぶオバマ大統領とバイデン副大統領(いずれも当時)=ロイター

 原爆を投下した当事国である米国のオバマ元大統領(63)とバイデン大統領(81)が、日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)へのノーベル平和賞授与をそろって祝福した。2人の言葉をどう捉えればいいのか。日本被団協が核兵器を使うことに対する「タブー」の形成に貢献したと評価する一方、自国が核兵器を使ったことへの責任には触れない点が特徴だ。

緊急連載 ノーベル平和賞 被団協に

日本被団協のノーベル平和賞受賞が決まった。被爆者の歩みと、核廃絶をめざす活動の現状を紹介する。

 日本被団協への授賞を受けてバイデン氏は13日に声明を出し、オバマ氏は14日、Xに投稿した。かつて正副大統領として「核兵器のない世界」を世界に訴えた2人の言葉からうかがえるのは、核兵器が再び使われることへの強い危機意識だ。

 オバマ政権(2009年~17年)の前半、米国はロシアとの関係改善に取り組み、米ロが配備する射程の長い戦略核弾頭を1550発まで削減する「新戦略兵器削減条約(新START)」を発効させた。

 だが、2022年2月にウク…

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