「お絵かきですよ!」生放送中の一場面。お題は「やすり」。回答者は正解できなかった=2024年5月1日、札幌市北区の札幌駅前

 北海道のローカル番組「どさんこワイド179」(札幌テレビ放送、STV)で20年以上続く人気コーナー「お絵かきですよ!」。月~金に毎日放送され、多くの道民が「いつか出てみたい」と願う視聴者参加型企画はどのように誕生し、いかにコロナ禍を乗り越えたのか。

 「うつった!うつった~!」

 GW期間中の札幌駅前。「お絵かきですよ!」の生中継が始まると、参加者ら約40人が歓声をあげた。

 ルールは単純明快だ。集まった人たちの中から抽選で選ばれた「描き手」が「お題」に沿った絵を60秒以内に描く。回答者は生放送を見ながら電話でお題を当てる。正解すると、賞金最高10万円。回答者は、描き手が任意に選ぶ。

 「賞金狙いで小5の娘を誘いました」「テレビを通して田舎のジジババに孫の姿に見せたいです!」「いつか出たいと思ってました」――。

 この日、描き手に選ばれたのは則政税さん(27)=岩見沢市=。お題「やすり」に挑んだが、賞金獲得はならなかった。「誰でも参加できるのが良いですよね。良い思い出になりました」。出演後、知人から反響のLINEが次々に届いたという。

過去最高は758人 口パク企画も試したが…

 STVによると、1991年秋に始まったどさんこワイドは日本における夕方ローカル情報ワイド番組の草分け。「水戸黄門」などの名作ドラマ再放送が高視聴率だった時間帯に、「地方局の生き残りにはエリアでの信頼が重要」との経営判断で自社制作を始めた。

 「生放送」「双方向」「得する情報」「オピニオン」をコンセプトに掲げて人気を獲得し、札幌駅前での定点中継が名物に。10年目の2000年秋、「さらなるパワーアップ」をめざして始まったのが「お絵かきですよ!」だった。

 当時の番組プロデューサー・辻直人さん(現・STV常勤監査役)は振り返る。

 「大幅リニューアルにあたり…

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