5月30日は「ごみゼロ」の日――。徳島県上勝町は2003年、日本初の「ゼロ・ウェイスト宣言」で「ごみゼロ」を目指した。それから21年、過疎や高齢化と向き合い続ける町では、「ごみゼロ」の目指し方に変化が見える。
ごみ収集車がない町で、町民は45種類に分別したごみを、集積場「ゼロ・ウェイストセンター」に自ら持ち込む。上空から見ると「?」マークの建物で、馬蹄(ばてい)形の部分は車が乗り入れしやすいように設計された。丸い建物には宿泊施設がある。
衛生用品、塩ビ、ゴムや可燃の複合素材などは焼却し、使い捨てカイロ、マニキュアの瓶、コンクリートがらなどは埋め立てるが、残りはリサイクル処理に回る。その結果、町の直近5年のリサイクル率は、全国平均の19・6%(22年度)に対し、80%前後で推移している。
「ゼロ・ウェイスト」は浪費、無駄をなくし、ごみを生まない社会を目指す考え方だが、町民の努力に頼る「ごみゼロ」には限界も見える。
町企画環境課の菅翠課長補佐…