秋季近畿地区高校野球大会が19日にほっともっとフィールド神戸(神戸市須磨区)で開幕する。来春の第97回選抜大会の出場校選考では重要な資料となる大会だが、兵庫県内から出場するチームは昨年、一昨年からガラッと変わった。久しぶりの出場や最近力を付けたチームが地元開催の大会に挑む。
秋季県大会を17年ぶりに制したのは古豪の東洋大姫路。卒業生の岡田龍生監督(63)が2022年春に就任して以降、初めて兵庫を制した。
岡田監督は履正社(大阪)を打撃のチームに育て上げ、2019年夏の全国制覇に導いた。今の東洋大姫路も今秋の県大会6試合で34得点と打力が高い。低反発バットでもしっかり振り切って、速い打球で外野手の間を抜く。
エース阪下漣投手(2年)は今夏に続いて背番号「1」を背負う。3年ぶりの選抜出場がかかる近畿大会へ「ここからが本当の勝負」という。1回戦は20日午前9時から龍谷大平安(京都2位)と対戦する。
3年ぶり2回目の出場となる神戸学院大付は、創部は2016年と新しいが近年安定した成績を残している。
三田学園に勝った県大会準決勝では、同点の八回から救援した背番号「1」の浅中翔達投手(2年)が無失点に抑え、九回のサヨナラ勝ちを呼んだ。浅中投手は東洋大姫路との決勝では先発し、五回途中まで被安打2、失点1と好投した。
3年前の近畿大会は初戦で1点差の惜敗。浅中投手は創部初の甲子園をめざして「近畿は1勝では足らない。2勝、3勝と重ねたい」と意気込む。1回戦は26日午前11時30分から智弁和歌山(和歌山1位)と対戦する。
県大会3位の三田学園は20年ぶりの近畿大会出場になる。
プロ野球ロッテ元監督の山本功児さんや元巨人の強打者、淡口憲治さんらが卒業生。春の甲子園には4回出場し1969、70年は8強。ただ91年春を最後に甲子園から遠ざかっている。2021年夏の兵庫大会では初戦敗退した。
学校は12年に共学化するなど、進学に力を入れる。短時間でも成果を求めて自主練習を重んじ、約3年前からメンタルトレーニングを導入した。県大会は1回戦から3位決定戦までの6試合で失点7。1人で投げた熊野慎投手(2年)を中心に堅い守りで勝ち上がった。3位決定戦で適時打を放った三輪奈由太選手(2年)は「勝ち進んで、絶対に甲子園に行く」。1回戦は20日午前11時30分から市和歌山(和歌山3位)と対戦する。(岡田健、原野百々恵)