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米沢市立病院(左)。民間の三友堂病院(右)と連携し、昨年から一体病院となった地域の医療拠点だ

 山形県米沢市は、市立病院を受診する時にかかりつけ医からの紹介状がない場合、初診時に診療費に加えて支払う7千円の非紹介患者初診加算料について、小児科については来年1月から当面取らないことを決めた。近藤洋介市長が28日の定例記者会見で発表した。

 市によると、市内に小児科が4カ所あるが、1カ所は今年の年末で閉院を予定している。他の3カ所も医師の高齢化が進んでいるという。

 非紹介患者初診加算料は、大病院と地域のかかりつけ医とのすみ分けや効率的な医療資源の活用の観点から実施されている。しかし、小児科不足で市内の診療所の予約が取れないことで、市民が市外に通院している状況があるという。

 近藤市長は「このままでは市内の小児科医がいなくなってしまう状況にある。子どもたちの健康を守るため、安心して市立病院を利用いただきたい」と話した。市立病院には現在4人の小児科医がいる。

 市はこれとは別に、今年5月から、市内で新たに小児科を開設する医師に、上限1千万円を補助する支援事業を始めた。建物や医療機器などの購入、運営経費が対象だ。ただ、まだ具体的な申請は出ていないという。(大谷秀幸)

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