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タペストリーをつくる宮原良子さん=2024年5月14日午後3時1分、福岡市東区名子、伊藤未来撮影
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 お年寄り一人ひとりの個性を生かした作品を通して、社会とつながっていく――。福岡市の福祉施設から立ち上がったブランド「Roren」が、そんなコンセプトのもとで雑貨などの作品づくりを続けている。集団での単純な作業となりがちな施設のレクリエーションの光景を一変させ、お年寄りの生きがいにもつながっている。

 毛糸で編んだ壁飾りや刺繡(ししゅう)、ペーパーウェート……。2月9日、福岡県太宰府市内で開かれた「Roren」の展示会に、大小様々な作品が並んだ。福岡市東区の特別養護老人ホーム「なごみの里」などの施設でレクの時間を活用し、お年寄りたちがつくった作品だ。

 「Roren」は、なごみの里の作業療法士、香月真さん(42)が立ち上げた。別の施設に勤務していたとき、利用者から言われた言葉が設立のきっかけとなった。

「こんなに頑張って何になると?」 奪われていた活躍の場

 「こんなに頑張って何になる…

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