定額減税をめぐる過去の動き

 岸田政権肝いりの「定額減税」が6月から始まる。以前の政権も、景気が急降下するたびに、経済対策の一環として実施してきた。果たして効果はあったのだろうか。

 Q 「定額減税」って昔もあったらしいね。

 A 1998年に橋本龍太郎(りゅうたろう)内閣が実施(じっし)した特別減税がある。山一証券の破綻(はたん)などで金融(きんゆう)不安が広まった97年12月、首相が記者会見で急きょ2兆円規模の減税を表明。98年2月に所得税と住民税の定額減税を実施した。

 Q 1回だけ?

 A 当時は景気が悪く恒久(こうきゅう)減税を求める声が強かった。橋本首相は追加で2兆円規模の減税を実施したが、恒久化をめぐって発言が迷走。それもあって、この年の参院選で自民党が大敗し、首相は退陣(たいじん)に追い込(こ)まれた。

 Q 効果はあったのかな。

 A 景気の回復が鈍(にぶ)…

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