記者サロン「伝わるデザイン」では、グラフィックデザイナーの佐藤卓さん(右)をゲストに意見交換した。

 世界的なニュース離れが指摘されるなか、新聞社など既存メディアはインフォグラフィックや動画を活用し、正確にわかりやすく情報を届ける工夫を続けています。そもそも、相手に「伝わる」とはどういうことなのでしょうか。グラフィックデザイン界の第一人者・佐藤卓さんと、朝日新聞編集局デザイン部員が「伝わるデザイン」をテーマに記者サロンで語り合いました。

 記者サロンには佐藤卓さんのほか、デザイン部次長でデザイナーの加藤啓太郎と同ウェブエンジニアの佐藤義晴が登壇。進行役は部長の倉重奈苗が務めた。

 佐藤卓さんがパッケージデザインを手がけた代表的な商品の一つに「明治おいしい牛乳」がある。白地に文字だけのシンプルなデザインだが、佐藤さんはかつて、「あれのどこがデザインなのか」と言われ、喜んだことがあるという。

 「搾りたての牛乳の味にできるだけ近づけるという製法のコンセプトと、一生活者として牛乳は普通であってほしいという私の思いが一つになり、デザインを最低限にするという手法になった」。「普通のデザイナーは怒るかもしれないが、デザインが消えていることがいいと思った」と説明した。

 佐藤さんによると、世の中に…

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