経済安全保障に関する重要情報の取り扱いを国が認めた人に限る「セキュリティークリアランス(適性評価)制度」を導入する法律が10日、参院本会議で与野党の賛成多数で可決、成立した。今後、政府が保有する経済分野の重要情報を保全指定するとともに、情報にアクセスする人に身辺調査を実施することになる。ただ、制度の詳細はなお不透明で、プライバシー侵害などの懸念は残ったままだ。
参院本会議の採決では、衆院に続いて多くの野党も賛成に回った。新法は公布から1年以内に施行される。
国会審議では、保全する情報の指定範囲があいまいな点や、適性評価を拒否したり、不合格になったりした人が人事で不利益を受けるのではという疑問が相次いだが、こうした懸念は解消されていない。政府は、今後策定する運用基準で情報の指定範囲を示すとし、適性評価の目的外利用禁止に違反する行為も明示して不利益を受ける事態を防ぐとしている。
新法に基づく制度では、半導…