【動画】連載「道後で生きる」テーマ動画
松山市の道後温泉本館が保存修理工事をほぼ終え、全館営業再開を迎えた7月11日の早朝。未明からの大雨がしばらくやんだころ、道後温泉旅館協同組合の理事長、奥村敏仁さん(59)が本館前を歩いていた。
待ちに待った再開の様子をその目で確かめるため、そして多くの客待ちで混乱などがあれば現場を手伝おうと思っていた。
組合に加盟するホテルや旅館の取引先は、「3千社を超える」と口癖のように語る。それだけ「道後経済」が地元にとって重きをなすと考えているからだ。
「これからも交流人口の拡大に努め、地元経済に貢献していきたい」
道後温泉の老舗旅館「大和屋本店」の社長を務める。
創業家の一族だが、大阪の大学で哲学を学んだ後、1987年に三和銀行(現三菱UFJ銀行)に入った。
8年余りの銀行勤めの終盤は…