各地で人々のために橋やため池を建設したとされ、東大寺の大仏建立にも貢献した奈良時代の僧・行基(668~749)の功績をたたえる「行基さん大感謝祭2024」が、10日に奈良市・春日大社境内の飛火野で開かれる。今年は直径1・3メートルの大鍋で「行基鍋」が来場者にふるまわれる。
市民による実行委員会の開催で、今年で7回目。午前11時から午後4時半まで、全国の行基ゆかりの寺から運ばれた砂を踏み、その寺に参拝したのと同じ功徳が得られる「お砂踏み道場」や、子どもたちが宮大工や土木工事、鋳造などの仕事を体験できる教室、平城宮跡の出土品をもとに復元された奈良時代のゲーム「かりうち」などのイベントがある。
午後3時半には、感謝祭会場から輿(こし)に乗った行基像(レプリカ)と共に、参加者が行列を作って東大寺大仏に参拝する。
今年の話題は「行基鍋」の復活。2018年に始まった感謝祭では、行基の土木作業に参加した奈良時代の人たちの食事をイメージした鍋を出していたが、コロナ禍で20年から中断。今年は山形の芋煮会用の鍋を作っている鋳造所にアルミ製の特大鍋を発注し、5年ぶりに行基鍋を提供する。
実行委の尾田栄章(ひであき)会長は「鍋の中身は現在、相談中。楽しみにしてほしい」と話す。問い合わせは尾田さん(080・8807・7833)へ。
また、会場近くの奈良国立博物館仏教美術資料研究センターでは、同日午前10時から「行基生誕1356年記念シンポジウム」(行基に学ぶ関西再発見の会など主催)を開催。行基の土木事業に学ぶ地域作りをテーマにしたディスカッションなどがある。事前申込制で、定員先着100人。近畿建設協会ホームページの申し込みフォーム(https://kyokai-kinki.jp/archives/4604)かファクス(06・6941・1742)で。無料。(今井邦彦)