先進諸国では常識となっている政治資金のオンライン報告。日本でも20年近く前に導入され、努力義務化もされたが、政務三役の多くが「紙」から脱却できずにいる。なぜ世界から取り残されたのか。世界は日本のどのくらい先を行っているのか。(浅沼愛、高島曜介、岡戸佑樹)

 「世界最先端のIT国家を目指す」

 そんな政府方針のもと、日本で政治資金収支報告書のオンライン提出の仕組みがつくられたのは2005年のこと。それから20年近く。なぜ使われないままなのか。

 「手書きでやってきたものを変えづらい」「保守的な世界なので」

 東京・永田町の議員会館で関係者らにたずねて歩くと、こんな答えが相次ぎ返ってきた。

 消費税のインボイス(適格請求書)、マイナンバーカードと健康保険証が一体化した「マイナ保険証」と、お金に関する慣れない制度への市民の戸惑いを横目に、自分たちのことは「慣れたやり方のままで」という姿勢にも見える。

 総務省は、オンライン提出が…

共有
Exit mobile version