地域おこし協力隊や移住・定住を担当する町企画情報課の倉沢晋平(中央)、久保元真一(左)、採用を支援するガイアシステムの有田由樹子=2024年11月14日、京都府京丹波町役場、山浦正敬撮影

現場へ! 地域おこし協力隊(5)

 大学4年の女性(21)は一瞬、たじろいだ。机の向かいに座る背広姿の男性が語気を強めて念押ししてきた。

 「『ここで農業をする』という意志を持つ人を募集しています。定着する人材です」

 京都府京丹波町は黒大豆の産地の一つだ。収穫期を過ぎた11月中旬、女性は町職員の案内で、町の農産物を扱う「地域商社」を訪ねた。

町職員の案内で活動内容を事前に確認するため地域商社に入る大学生(左)。同商社は町のふるさと納税返礼品の発送も担う=2024年11月14日、京都府京丹波町橋爪上中島、山浦正敬撮影

 事務所は大手コンビニの店舗跡。観光協会の一部門で、町内での就農者を育てる研修農場を来春に開く。一期生として「地域おこし協力隊」を募る。

 大阪府出身で地元の大学に通う女性は、来春の新卒とともに就農を目指す。この日は応募前の現地見学だった。

 女性はその場で覚悟を伝えられなかったものの、応募への決意はいっそう固まった。

 「報酬をもらいながら農作業から商品開発まで学べ、就農後も支援してくれるのはありがたい」

浮き彫りになるミスマッチ

 事前に双方が考え方を確認し…

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