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山あいの集落で街頭演説をする朝倉浩之氏=2024年10月17日午後0時5分、鳥取市、富田祥広撮影
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 「『どうせ石破さんが勝つから』とあきらめていた皆さん、今回は新しい選択肢があります!」

 10月中旬の平日。「総理とたたかう男」と自らを呼んだ朝倉浩之氏(51)が、鳥取市郊外の山あいの集落でマイクを握っていた。目の前に聴衆は一人もいない。「家の中で聞いてもらえている。そう信じて声を出してます」

 10月27日に投開票された衆院選。自民党総裁の石破茂首相(67)の地元・鳥取1区で、立憲民主党は新顔の朝倉氏を擁立した。この選挙区に野党第1党の公認候補が立ったのは、旧民主党政権が誕生した2009年以来15年ぶりだった。

 石破氏は前回21年の衆院選まで12回連続の当選を重ねてきた。共産党候補との一騎打ちだった前回は10万5441票を得て、得票率は全国1位の84・07%。石破氏の「1強」に対し、立憲は旧民主時代から4回連続で不戦敗を続けてきた。

 記者は選挙期間中に、「勝てる選挙なのか」と率直な疑問を朝倉氏に投げかけた。

 「とんでもない強敵。勝てるわけないじゃんというのは、その通りですよ。だから、負けても誰にも責められない」

 ――なぜ立候補を?

 「私が立つことで石破さんの…

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